つらい幼少期の自傷行為
私は何故自傷行為をしていたのでしょうか。
自傷行為はよく
「人の気を引くため」
「生きている実感を得るため」
と言われることがありますが、少なくとも私はちょっと違いました。
私は自傷行為を絶対に人には知られたくありませんでした。
自分の弱いところを人に見せるのが嫌でしたし、
周りの皆が私に抱いている“明るくて元気”なイメージを
壊したくなかったのです。
本当の自分を人に見せるのが本当に嫌でした。
夜はそんなプレッシャーから解放され、
自分を傷つけることでホッとしました。
体を傷つけると鎮痛作用のあるホルモンが分泌されるそうで、
私は自分を切ることに依存していきました。
また私が自傷する原因は幼少期にありました。
私の父親はアルコール依存症で、
酒を飲んでは暴れて家の中を荒らしたり、
母や私に暴力を振るったりしていました。
子供の頃、そうした父の姿を見るのが嫌で、必死に考えた結果が
「私が病気になれば、父は私を心配してくれて、お酒や暴力を止めるかも知れない」
でした。
私は子供の頃、とても病気がちで
常に病院にかかっている子供でした。
母はそんな身体の弱い私を憐れんでいましたが、
私にとって病気になり、親の気持ちが自分に向かっている時は
とても安心できました。
子供なりに必死で出した“病気等の不調=平和”という観念は
私の潜在意識にしつこく居座り、大きくなっても私を支配していました。
自傷をして、自分が傷だらけになれば
平和であるような気がしていたのです。
逆に健康でいることに罪悪感がありました。
勉強や部活で大事な時に限って私は体調を崩していたのは、
そんな潜在意識が原因だったのだろうと思います。
柔道を辞めて、行き場を失った私の情熱は
自分に向かって攻撃をする形となって表れていきました。
この潜在意識も私をうつ病にした原因の一つだと思います。
意識的には“良い成績を修めたい”“成功したい”“幸せでありたい”
“安泰でありたい”と思いながら、無意識が私を反対方向に引っ張っていきました。
潜在意識を変えていくことなしに、
うつ病は完治しないのではないかと私は思います。
いくら良い薬を真面目に服用してもうつ病が完治しなかった私は、
この潜在意識の持つ、良くも悪くも大きな影響を知らずにいたのです。